もはやこの目で見ることなど適わないと思っていたサカイが、今目の前に佇んでいる。歴戦の疲れを車体のそこここに見せながらも、現役の機関車はやはり素晴らしい。砂まみれのランボードにオイルの染みた軸受け。運行に必要な装備を長年かけて最適な形で纏った姿は、本物だけが持つ重みを放っていた。

昼前からの撮影となった初日。いつもなら石塚の土場で昼食のはずが、この日は食べずに下りてきたため、予想より手前の小杉谷線との分岐あたりで出くわしたのだった。がっくりして重い足取りで荒川に戻ったのにまだ積み込み作業をしていたのは、遅い昼ご飯を荒川でとったからだそうだ。おかげでサカイをゆっくり見ることが出来たのだから、それもまた良し。

 翌日は5時起きして新しい作業線の辺りまで歩いたが、雨で運休。このまま終わってしまうのか、不安の中でメンバーと共に2日目の夕餉を囲んだのだが、いつものように明日の作業予定を聞く高橋さんが慌てはじめた。なんと石塚土場の上、オメガカーブまで車両が入ると言うではないか!ついている!
 しかし驚くべきは小林氏ツキだ。この1日限りのピンポイントな幸運を、彼の許されたたった1日の撮影日に絡めてくるのだ。正直脱帽である。