乗り下げが来た後はサカイが来る。そう頭に叩き込んであるから自然に体は反応する。都合が良いことにまだ姿を見せない。その後は滑る枕木をよけながらとにかく走った。
杠氏から屋久島の撮影後強烈な筋肉痛になったと聞いていた。そのときはショックのなかで反芻していたその言葉も、今度は実感できる。そんなことだってうれしかった。

ゆっくり走っているかのような乗り下げも、滑る枕木と寄る年波に勝てず、ついに追いつくことはできなかった。やがて後ろからディーゼルエンジンの音が聞こえてきた。
サカイのステップに乗っているのは高田社長。
大声で挨拶をしておく。