前回訪問の2年後に再訪したのは、粟代鉱山の興奮がまださめない東海ツアー1日目の締め、夜の帳が訪れた頃だった。いつも行動を共にしているYuzzu、Uemen両氏に訪問先として加えてもらったのだが、現役ではあるが軌間381mmで延長たったの50m程度という、あまりに小さなターゲットである。正直勧める自信がなかった。

 久しぶりに来てみると、表に面している即売コーナーの窓枠が新しくなっている。それも明るい色の木材を使っているのか、古い母屋の色合いから浮いてしまっているではないか。ますます自信がなくなってくる。
 6時が過ぎ工場内に明かりがともるようになってきた。分岐付近の床を掃除しているところをyuzzu氏の三脚を借りて撮ってみる。カラーだと蛍光灯の色が寒々した印象を与えるが、yuzzu氏のモノクロは大変良い雰囲気に撮れている。フィルムもこういうときには捨てがたい味を持っていると再認識。なにより働いている人が居てくれるのが良い。
 土間の掃除が終わると蛍光灯が消されて、奥へと伸びる軌道を照らしている白熱灯だけが点る格好になった。なんて暖かな色だろう。でも早くしないと皆帰ってしまう。
 
幸い手前の包装場ではおばちゃん達がまだおしゃべりに興じている。無理を言ってyuzzu氏にもう一度三脚を借り、首尾良くバルブすることができた。どうもありがとう。
 明かりに照らされた場内は、古い造作とあいまって良い雰囲気を出しており、短い軌道だったが両氏も満足してもらえたようで一安心。おみやげの醤油をを買って店を出ると、ちょうど屋根の上に月が出ていた。

                                             indexへ